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# 新しい言語にまつわる雑感
コウです。

最近ブログに書いている『蘭学事始』の時代とは大きく違い、現在は多くの言語を多くの人が、程度の差こそあれ操れるようになっている時代です。中でも英語が世界的に重要なツールとなっていることは、今さら言うまでもありません。

しかし、世界中の人々が英語を理解できるようになってしまうと、翻訳業は成立しません。その意味では、言語の多様性維持というのは、文化保護の観点のみならず、われわれの雇用保護という観点からも極めて深刻な問題です。

そんな中、朗報が。ちょっと前(10月ぐらい)のことですが、インドの奥地でこれまで知られていなかった新しい言語が発見されたというニュースがありました。コロ語というそうで、アカ語とミジ語と呼ばれる現地語の調査に入っていたチームが発見したとのことでした。

言語学者にとっては心ときめくような発見なのでしょう。が、翻訳者にとってもこれは大変喜ばしいことです。何しろ、言語の差異が広がっていれば広がっているほど、翻訳者の出番は多いわけですからね。もちろん、わたしがコロ語を知っているわけではありませんが。

グローバル化は一面で、世界を均質化していくとも言われますし、その結果としてコロ語もそのうちになくなってしまうのかもしれません。ですが、差異が残り続ける世界だからこそ、こうしたグローバル化がモノやヒト、そして言葉の多様な存在を逆に際立たせるという側面は、もっと強調されてよいと思います。

ちょっと乱暴な言い方になりますが、全員が英語を話していたらわれわれの仕事は成立しませんし、世の中のカフェが全部スタバになったらつまらないですし、世界で単一通貨が生まれてしまえば為替市場は存在しなくなりますし、ヒトの移動が進んで労働賃金が一様になれば生産拠点の海外移転を進める意味もなくなります。

グローバル化が進むことで発生する利益もありますが、個人的には多少の不便さはあっても、差異のある世界のほうが住みごこちがよいというか、楽しみの多い世界だと思います。もちろん、その負の影響を世界レベルに目を向けて論じようとすれば、ことはそんなに単純ではないということも、他面では事実だと思います。新たな言語の発見という記事を読んで、このようなことを思ったのでした。

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