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# いきあたりばったりの旅番組
さふらんです。遠くに見える山々が神々しく冠雪する季節になりました。町を歩けば庭木の紅葉も目に楽しく、厳しい季節が来る前の美しい行楽シーズンの到来です。

このブログでは最近、旅に関する内容を書くことが多いのですが、今日もタイトル通り、旅について思ったことを書きたいと思います。

インターネットやソーシャルネットワークサービスで、訪れたことのない場所、見たことのない風景の情報も簡単に手に入るようになり、また身近にも感じられるようになった今、旅の価値は今までにも増して、偶然の出会いや予期しなかった出来事に求められている気がします。

そう思うのは、シナリオの存在が前提のはずのテレビ番組やラジオ番組で、そういった、出会いの妙に価値を置くスタイルの番組を見る(聴く)機会が続いたからかもしれません。

今にして思えばそのはしりとも言えるのは、もはや長寿番組になっている民放のバラエティ番組でしょう。「第一村人発見」のフレーズで有名なかの番組では、取材班が地図のダーツの矢が当たった場所(多くの場合、田舎)に出かけ、そこで出会った人々にインタビューをして、なんの変哲もない場所で日常を営む普通の人々の予想外の面白発言や、思いがけない深い人生の軌跡、その土地ならではの小さな逸話などが発掘されていきます。

また、同じようなことを芸能人が行うNHKの番組では、メインキャストであるベテランの芸能人とその回時々のゲスト芸能人が、地方の町を歩き回り、そこで出会った人と話をし、その人に紹介された場所や人を辿ってまた別の人に出会ったり何かを発見したり、という形で、旅が、番組が進んでいきます。

行き当たりばったりの旅に通じるその感覚において、最近一番面白かった番組は、BBCの”Where are you going”というラジオドキュメンタリーでした。タイトルが示す通り、インタビュアーの女性が世界の様々な場所で、偶然出会った人に”Where are you going ?”と問いかけることから番組は始まります。現在インターネットのポッドキャストでは、アメリカ・ニューヨーク、オランダ・アムステルダム、インド・コルカタ、そしてフランス・カレー郊外の難民キャンプの回が公開されていて、それぞれの場所で思いがけないストーリーが次から次へと繰り広げられます。中でも強烈だったのはニューヨークの公園で鳩を捕まえる薬物中毒の老人の話でした。他にも、”Where are you going?” このシンプルな一言をきっかけに語られる普通の人々の、日常を切り取ったストーリーはどれも驚くほど力強く、思わず引き込まれてしまいます。
(参考URL) 
http://www.bbc.co.uk/programmes/p03pc1jn

こういった、その場の出会いや偶然によってストーリーが生まれていく様子は、自分がバックパッカーとして旅をしていた時のことを思い出させます。行き先も泊まる場所も決めない旅で出会う人や見かける風景は、その一つ一つが偶然の産物で、一回性の、唯一無二の価値を持っていました。

そのような形で出会った人との会話は、必ずしも人生において重要な意味を持つわけではなくとも、不思議と記憶に残っていたりするもので、今でもそういった旅の瞬間をふと思い返すと、懐かしいような、実に遠くまで行ったような気持ちになります。そして個人的にはそのような感覚こそが、旅の真髄のように感じられます。そういった旅に、はたして今度はいつ出られるかはわかりませんが、それまでは、今日紹介したような行き当たりばったりの旅番組を楽しみたいと思います。
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