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# 英国が離脱したらEUの英語はどうなる : 「EU英語」の台頭か?
こんにちは Wadaです。

EUにとって英国は、そもそも「やっかいな(recalcitrant)」存在であったようです。EECの発足後20年を経た1973年に加盟するも、EUのメンバー国(フランス)から唯一拒否権を(しかも二度)行使された国。大陸以上に自由貿易や米国との協調を重んじ、早くも1975年にはEU離脱の国民投票を行い、今も以前もEU離脱を唯一試みた国であり、そのためEUを代表するとはとても言い難い。その英国の公用語である英語がEUの諸機関を支配しているという事実は、はなはだ奇妙というほかないのです。英国のエコノミスト誌はこう問いながら、いわゆる「EU英語」について考察を加えていました("English becomes Esperanto" 4月23日付)。

EU28ヶ国で話される24言語は公式には対等ではありますが、英語はフランス語を抑えつつ、次第にEUの官僚や議員の共通言語になって来ました。依然として多くのフランス語話者は、何かの集まりではフランス語への切り替えが許容されることを見込み、実際EU本部が置かれるブリュッセルでは主にフランス語が話されるのですが、非ネイティブにとってはすでに英語が一等の地位を占めているのです。2012年の調査によればEU市民の38%が外国語として英語を話し、ブリュッセルのEU諸機関でも事情は同じだそうです。

EUで外国語の影響を被った英語は「EU英語(Euro-English)」と呼ばれます。例えば"control" はフランス語の影響から"monitor"の意になり、"assist"はフランス語やスペイン語の影響から"attend"の意で用いられます。また不可算名詞"information"も、語尾に"s"をつけて可算名詞として用いられるなど、英語の「単純かつ不正確な拡張」が見られるのです。EU高官のJeremy Gardner氏は「EUの出版物における英語の誤用」なる手引書を出しましたが、裏を返せばそれは、英語ネイティブが何と言おうと、インドや南アフリカと同様EU英語が多くの人に話される英語の一方言になっていることを意味します。

この種の英語では例えば未来完了進行形("I will have been working")のような、面倒だが必ずしも必要とされない表現がなくなるといいます。ある意味でそれは英語の「中性化」・「実用化」であり、EU内での英国の「偏向(polarise)」とは対照的な事態だというのです。

EUでの英語がローカルな方言だとすると何が「普遍的な」英語なのかわからなくなりますが、英語を多少話せるだけの私のような日本人には朗報かもしれません。
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