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# 中国旅行記4
こんにちは、さふらんです。この辺りでは朝晩肌寒い季節になりました、

今日は中国旅行記4、そして旅を終えたあとでなぜか心に残る風景について。

初めての土地を旅している時に意外と重要になってくるのがトイレ問題です。その日も気付けば トイレを求めてさまよい歩いていました。トイレ目的で入ったカフェでうっかりコーヒーを飲んでしまったために再びトイレに行きたくなったり、このバスに乗れば繁華街に行くからそこでお店に入ろう(トイレを借りよう)、と半ば賭けるような気持ちで乗ったバスが住宅街にたどり着いたり、と悪循環が続きます。しばらくあちこちと歩いてみましたが、わずかばかり点在するお店も、床屋や廃品回収屋など、観光客が立ち寄るには敷居が高い店ばかりで、もうタクシーでホテルに戻ろうか、とあきらめかけた頃に目に入ってきたのが、町外れの食堂でした。

中途半端な時間帯に入ったせいか、店の人たちは入り口近くのテーブルに座り、ぼんやり外を眺めたり、携帯をいじったり。繕い物をしている女性もいます。

口実のようにスープを頼み(なぜかここでも水分の多いメニューを頼んでしまいました)、トイレを借りて、ようやく落ち着いた気持ちで席につくと、ふとその場所の静けさに気づきました。テレビやラジオがついているわけでもなく、店の前の往来を通る車も人もまばらで、聞こえる音といえば遠くから聞こえるくぐもった町の音のみ。

注文を受けて やおら立ち上がったおじさんが作ってくれた優しい味のスープを、心地の良い静寂の中で黙々とすすります。おじさんは注文品を作りおわるとまた、テーブルに戻ってぼんやりと外を眺めています。時々、思い出したようにお茶を汲んでは飲み、向かいに座った相方のおじさんのグラスにもお茶を注いでやっています。お互い会話を交わすでもなく。静けさの中、おいしく、安心した時間が過ぎて行きました。



今回の中国旅行を振り返ると、不思議とこの時のことが一番によみがってきます。旅先でのその土地ならではの貴重な体験、強烈な出来事や人とのふれあいは、もちろん、旅を彩る大きな要素です。でも一方で、旅を振り返ったときにふと思い出すのは、この食堂での風景のような、一言では説明しがたい、どこかありふれた風景だったりもします。

それは言ってみれば、旅という非日常の車窓からふと目にする、「その場所の日常」のようなものに心惹かれる瞬間なのかもしれません。この先もう二度と会わないかもしれない人々、目にしないかもしれない風景の中にもその場所の日常があり、それは自分が家に帰り、自分の日常に戻ったあとも、その場所の日常として続いていく。当たり前のことですが、それを実感することで、訪れた場所がより身近に、自分の中に長く生き続きる気がするのです。

みなさんは、旅の途中にそんな風景を感じたことはないでしょうか。
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