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# 中国語に訳されている日本の書籍
みなさん、こんにちはAkariです。
前回のブログに続き、香港でのお話です。

ずぶ濡れフェスを楽しんだ翌日は、帰りのフライトまでそれほど時間もないので、軽くショッピングに出かけました。

今回どうしても行ってみたかったのが、日本の蔦谷書店がお手本にしたという、台湾の書店、誠品書店の香港一号店です。随分前から話題になっていて、いつか台湾の誠品書店に行ってみたいと思いながらも時は流れ……、やっとこの目でみることができました。

Causeway Bayにあるショッピングモール、Hysan Placeの8F〜10Fがすべて誠品書店です。余談ですがエクスプレス・エスカレーター(1フロアごとに降りる必要のない長いエスカレーター……)という概念を始めて知りました!


怖いくらい長い。

お店の中の写真は許可を取っていないので無いのですが、日本の蔦屋書店をイメージしてもらえば大体OKです(笑)。というわけで、お店のコンセプト自体に特に目新しさはなかったのですが、日本のこんな本が売れているんだ〜! というのがわかったのが面白かったです。

目についたところで、たくさん置かれていたノンフィクション・実用書系の書籍は、ドラマ化も決まったベストセラー『嫌われる勇気』とその続編『幸せになる勇気』(共に岸見一郎/古賀史健:著)、『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(藤田孝典:著)、『平常心のコツ──「乱れた心」を整える93の言葉』(植西聰:著)、『新・片づけ術「断捨離」』(やました ひでこ:著)など。日本でも香港でも、気になる問題は変わらないのですね。

小説では、『きみの膵臓を食べたい』(住野よる:著)、『世界から猫が消えたなら』(川村元気:著)、『秒速5センチメートル』(新海誠:著)、『羊と鋼の森』(宮下奈都:著)などが、お店のベストセラーランキングに入っていました。割と新しいものがすぐに入っていっているんだな、という印象です。

* おまけ*

日本でも香港でも同じ、といえば、ボーイズラブ作品もそうですね。こちらの『上癮 Addicted』は、中国本土では配信禁止となってしまったという大人気ドラマの原作だそうです。友達が「ハマる」と言っていました。ドラマ自体も、ほとんど無名の俳優さんが起用されているそうですが、イケメン揃いで、これは日本でも人気が出そう……な気がします!
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# 雨の香港
どうも、Akariです。
航空券のセールがあったので、先週末、2泊3日で香港に行ってきました! 朝のフライトで行って、夕方のフライトで帰ってくれば、3日間十分遊べるよね♪ と思っていたのですが、甘かった。フライト以外の移動時間もありますもんね。結構ヘトヘトになってしまいました。

今回のメインイベントは、Clockenflapという音楽フェスティバルです。始まったのは2008年なのかな? 年々動員数を伸ばしているそうです。今年の大物ラインナップは、The Chemical Brothers、Sigur Rós、M.I.A.、London Grammarと結構豪華。日本からもセカオワことSEKAI NO OWARIが出演していました(その日は私もう帰る日だったので見られなかったのですが)。

ライブは好きだけど、日本の夏フェスには参加したことのなかった私。だって暑いじゃないですか、外だし……、自分の体力を考えると、楽しむどころではないだろうという判断で、検討したこともありませんでした。でもフェスへの憧れはずっとあったんです。Clockenflapなら秋だし、暑くないし、小規模だし、ということで、今回念願のフェスデビューです! リア充っぽい写真をお見せしましょう。


      ほら……。  楽しそうでしょ……。

会場入りして30分で大雨に。何の雨装備も用意していなかった初心者の私たちは、しばらくバーのテントで雨宿りしていたのですが、ついにギブアップ。友達の家に避難しました。テントから聴いた、No Party For Cao Dongっていう台湾のバンド良かったです。あと、ライブストリーミングで家から見たHYUKOHっていう韓国のバンドも良かったです(涙)

しかしあまりにもチケットが勿体ないので、夜になってまた会場に戻りました。


本当に街の真ん中、香港駅のすぐ近くでやっているので、夜景もとっても綺麗に見えます。


傘の合間から見たM.I.A.、かっこよかったよ……。近くで誰かがumbrella revolutionだなって言っていて、思わず苦笑です。まあ、ビショビショになるのもpart of the funということで、と自分たちに言い聞かせて頑張りました。

今回は金、土、日とある中の土曜日しか行かなかったのですが、次回もし行くなら4泊はして全日程行くのがよさそうですね。時期的に全然暑くないし、アクセスも良いし、チケットも簡単に取れるし、夏フェスが終わって寂しい、秋もなんか行きたいという人におすすめです。今まで知らなかったアジアのバンドでいい感じなのを知ったのが収穫でした。
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# ロンドン地下鉄の話題いろいろ
こんにちは。Akariです。ロンドンの地下鉄大好きっ子です。

先日、このブログでもロンドンの地下鉄の座席に使われている生地(モケット)についてご紹介しましたが、最近いくつかまた、ロンドンの地下鉄がらみのニュースが目についたのでご紹介します!

●「ラウンデル ロンドン(ROUNDEL LONDON)」が、東京メトロ銀座駅構内にポップアップショップをオープン

Fashionsnap.comの2016年11月2日の記事より
http://www.fashionsnap.com/news/2016-11-02/roundel-london/

ロンドンの地下鉄が150周年を迎えた2014年に設立されたファッションブランド「ラウンデル ロンドン(ROUNDEL LONDON)」が東京メトロの銀座駅構内に期間限定ショップをオープンするそう! 記事内で紹介されているクッションやマフラーに使われているオレンジ、イエロー、茶色のモケットは、ディストリクトラインのものですね。たまたまこの期間中に東京に行く機会があるので、絶対にひやかしに行こうと思います!

ちなみに、ブランド名のラウンデル(ROUNDEL)は小さい円形のものを表す言葉。つまりこのマーク

のことを指しています。

●エマ・ワトソンがロンドンの地下鉄各所に、手紙付きの本を100冊こっそりと隠す!

BuzzFeedの2016年11月2日の記事より
https://www.buzzfeed.com/juliegerstein/emma-watson-is-secretly-leaving-signed-books-on-the-tube-for?bftw&utm_term=.eaQVVkomOa#.giGZZa3G8Y

国連の親善大使としてジェンダー・イクオリティ推進プロジェクト「HeForShe」キャンペーンの立ち上げを発表したスピーチも話題となったエマ・ワトソン。今年の1月からは「Our Shared Shelf」というフェミニスト・ブッククラブも初めています。そのブッククラブの今回の課題図書であるマヤ・アンジェロウの自伝『Mom & Me & Mom』100冊に手書きのお手紙を挟んで、ロンドンの地下鉄の駅や車内に隠したというニュースが話題に! 「Books on the Underground」というプロジェクトのコラボ企画で、公式Instagramでは見つかった本の写真や、エマからのお手紙も公開されています。

以上、地下鉄ニュースでした!
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# 17世紀のレシピブックから生まれた「ノンアルコール蒸留酒」を飲んでみたい!
どうもAkariです。お酒大好きです。でも最近は、若い頃よりアルコールの代謝が悪くなり、どうもあんまり飲めなくなってきました。

仕事が忙しかったり、それでも「お酒を飲んだような気分」になりたい時に最近重宝しているのがノンアルコールビールです。飲酒運転への罰則が強化されて、各飲料メーカーがノンアルコールビールに参入し始めた2003年前後のノンアルコールビールは、あまり美味しくなかったような印象があり「そこまでして飲まなくても…」と思っていました。しかし10年以上の時が経ち、最近のノンアルコールビールの美味しくなったこと! 私の気のせいでしょうか? いやいやいや。

そうやって別にアルコールが入っていなくても、お酒っぽいが味がしてくれれば良いんです。早くノンアルコールワインとか、ノンアルコール焼酎とか、ノンアルコール日本酒とか、どんどん出てこないかな……、と思っていたら、あるそうです、ノンアルコール蒸留酒が! イギリスに!

「Seedlip」
https://www.seedlipdrinks.com/


ボトルのデザインも素敵ですね。(画像は公式サイトからお借りしました)

こちらのインタビューによると、このSeedlipを生み出したBen Bransonさんは、1651年にロンドンで出版された「The Art of Distillation(蒸留の技術)」という本をインターネットでたまたま見つけたそうです。その本にはハーブを使ったノンアルコールのレメディー(治療薬)のレシピがたくさん掲載されており、もともと色々なことを試すのが好きだったBenさんは、自宅の庭で色々と蒸留しているうちに、ノンアルコールの蒸留酒が作れるのではないかと閃いたそう。最初に英国のデパートSelfridgesで販売を始めたところから瞬く間に火がつき、今では世界中30以上のミシュラン星付きレストランでも取り扱われています。なんとその評判は英国王室まで届き、バッキンガム宮殿に招かれてヨーク公に謁見したそう。

日本でもそんな話は聞こえてきますが、イギリスでもお酒を飲む若い人が減ってきているそう。世界的に健康志向が進む中、Seedlipのようなノンアルコールの大人っぽい飲み物の需要は高まりそうな気がします。

ただ、肝心の味が気になりますよね。公式サイトでは日本からも買えるようなので、今度飲んでみようと思います!
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# ただいまデジタル大掃除中
こんにちはAkariです。

雨が続いて気分転換のポケモンGOもままならぬ日々(ええ、まだ飽きずにやってます)ゆえ、暇を見つけては夏の終わりの大掃除に精を出しています。
今日も紙類を中心に、ゴミ袋1杯分のゴミを整理しました。とはいえ、日々それなりに捨てているので、もう捨ててスッキリするものってあんまり残ってないんですよね……。

そこでこのところハマっているのが、デジタル関係の整理です。まず手始めにSNSを。どうも最近Twitterあんまり見る気がしないんだよな〜、と思っていたので、思い切ってフォローしているアカウントを大幅に整理して、本当に見たいものだけに厳選し、ニュース系のアカウントはリストにまとめて(更新が多いので他のツイートが埋もれてしまっていた!)、今までフォローしていなかったアカウントをいくつかフォローして……。すると、なんということでしょう! タイムラインの風景が変わって、自分に必要な情報がとっても見やすくなりました。頭が切り替わったような感じもしてスッキリ! Instagramのフォローも同じくポチポチと整理しました。Facebookは整理し辛いんだけど、ほぼ見てないから、まあ、いいか……と放置中。

続いてRSSリーダー(になるのかな?)feedlyに登録しているサイトも整理。ひとつひとつ見ていくと、もうサイト自体が無くなってしまっているものや、「なんでこのサイト登録したんだっけ?」というものがザクザク出てきました。そういうリンクをどんどん削除。キレイにカテゴリ分けもしておきました。ただ、更新されていないサイトはどっちみちフィードに出てこないので、見やすくなったかは不明。気分的にはちょっとスッキリです。

それからインターネットブラウザのお気に入りも整理。「買いたいもの」みたいなフォルダを作っていたのですが、中のリンクをチェックすると、その時は買いたいと思っていたかもしれないけど今は全然欲しくないよ、というものが山ほどありました。でも「今見ても欲しい!」というものもあったので、改めて嬉しい発見。置いておくと良いこともありますね。「気になるレストラン」フォルダもバラバラにして、全部Googleマップに移管しました。

そして現在はメールボックスの整理に着手中。要らないメルマガを1個1個解除して……とやっていると、読み逃していたものをついつい読んでしまったりして、なかなか捗りませんね。

そう、デジタル大掃除は(ふつうの大掃除もそうですが)、1個1個「要るかな? 要らないかな?」とチェックして、つい読み耽るので、時間がかかってしまうんですよね〜。お仕事が忙しい時ほど、現実逃避でこういう事をやりたくなってしまう、なんてこともありますが、どうかお時間に余裕のある時にどうぞ。

個人的に、特にTwitterの整理はやって良かったです!
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# Tubeの座席に使われている生地って可愛くないですか?
こんにちは。Akariです。このブログに掲載されているみなさんの旅行記をいつも楽しく拝読しています。

最近M.A.さんのロンドン滞在記を読んでいて、「ロンドンに行きたいな〜」と思っていたところ、BBC Autosのこの記事がTwitterで流れてきたので興味深く読んでしまいました。

Why is train seat fabric so ugly?
なぜ電車の座席の生地はあんなに醜いのか?
http://www.bbc.com/autos/story/20160804-why-are-trains-seats-so-hideous?ocid=twcul

・ 言い訳1:設計上の制約がある
耐久性が必要で、手入れが簡単でなければなりません。そこで座席の素材としてよく使われているのがウールを使ったパイル状の織物“モケット”(フランス語でカーペットの意)。表面に凹凸があるので汚れがつきにくく、ベルベットのような見た目と手触りが特徴です。(たしかに電車のシートってベルベットぽい素材が多いですよね)。そして、これがポイントなのですが、このモケット、複雑な模様に適しているそうです。

・ 言い訳2:デザインプロセスに問題がある。
あまりに多くの人間が関わっていて、みんながいろんな主張をするから変になりがち。

・ 言い訳3:ファッションは変わりやすい
座席に使われる素材のデザインも、ファッショントレンドの影響を受けます。現在「ダサい」と思われているデザインは、80年代の明るい色やオレンジ、茶色などがたくさん使われた時代のトレンドを反映しているようです。ひとつのファッショントレンドが、座席の大体の寿命である10年も続くことはないのです……。

と、ここまで要約してみましたが、実際ロンドンのTubeの座席って結構可愛くないですか? 最近は、特にファッションのトレンドとして「Tacky(タッキー、わざと悪趣味にする)」やベルベットが注目を集めているので、Tubeの座席の柄もおしゃれに感じます。

そう思って一覧になっているページを探していると、なんとモケット、ロンドン交通博物館のショップでグッズが公式に販売されていました! すごく可愛い! 今度ロンドンに行く機会があれば、ぜひ立ち寄ってグッズを購入したいと思います。


http://www.ltmuseumshop.co.uk/moquette/availability.html#digit

それぞれのデザインについての解説も興味深いです。私が特に馴染みがあるのは、よく使っていた“Central”と、“Piccadilly”ですね。見たとのない柄もいくつかあります。先ほどの記事でも、結局最後にはロンドン交通局のモケットデザインには賞賛をおくっています。

しばらくは出かける際に、いろんなシートの生地デザインが気になってしまいそうです。
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# 政治家ファッションチェック
こんにちはAkariです。
大好きな政治家ファッションネタ、今日はこんな記事をご紹介です。

“ウエストでボタンをひとつ留めたジャケットで、抜群のスタイルをアピール。淡いブルーのタイが、瞳の色を引き立てています[……]脚をほっそりと見せてくれる黒のブローグで、奥様に伴われて新居−−−−ダウニング街10番地−−−−の敷居をまたぎます”
http://metro.co.uk/2016/07/13/theresa-mays-husband-steals-the-show-in-sexy-navy-suit-as-he-starts-new-life-as-first-man-6005294/

そう、これは英国史上2人目の女性首相に就任したテリーザ・メイ氏の夫、フィリップ・メイ氏のファッションチェック……、と見せかけて、マスコミによる政治家の妻の取り上げ方を皮肉った記事なんです。

配偶者が男性なだけで、政治家の妻と同じような取り上げ方をしたら、冒頭に引用したようにギャグかと感じてしまう。それってたしかにおかしな状況ですよね。

“ファッションをいちいち細かくチェックされるのは首相の配偶者の定め……サマンサ・キャメロン(キャメロン前首相の夫人、愛称サムキャム)”だってそうだったでしょ“と記事は締めくくられています。

(いやしかしサマンサさんのファッションは確かにいつも素敵でした。キャメロン前首相が辞意を表明した際の記者会見でも、チラチラとうつるサマンサさんのワンピースがあまりに素敵で、そっちに気を取られてしまったほど)

まあ当然、メイ首相のファッションも相当取り上げられていて、例の黄色の切り替えの入ったコートの装いなんかも全アイテムブランド特定され、値段まで記事にされています。男性政治家の場合、色や形の発するメッセージが分析されることはあっても、細かくブランド特定とかまではないですよね。

まあ、ほぼスーツだから面白くないっていうのもありますが……、男性政治家のファッションチェック、あれば私は読みますよ!
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# かおりのカルチャーショック
こんにちは。Akariです。
暑さ本番、というわけではないですが、蒸し蒸しする日が続いていますね。私は夏になるとてきめんに食欲が落ちてしまい、庭でできるキュウリを浅漬けにして、そればかり食べてしまいます。



ところでキュウリといえば、欧米のトイレタリーにはキュウリの香りのものって結構ありますよね?「cucumber body…」と入力しただけで、こんなにサジェスチョンが。



パッケージには輪切りのキュウリがあしらわれたデザインが多いですね。丸のままだとあまり可愛くならないからでしょうか?



私が最初に「キュウリを香料して使うんだ…」と認識したのは、ドラマ“SEX AND THE CITY”で主人公の4人が香水の品定めをしているシーンでした。シーズン6のエピソード13 “Let There Be Light(恋のファーストステップ)”で、シャーロットが香水のテスターをシュッとふいて「キューカンバー&バジルは?」という台詞を言っています。(余談ですがこのシーンのロケが行われたのはNYの高島屋だそうです)

日本ではキュウリを全面に押し出した香りのものはほとんど見かけないので、「いやいやキュウリって(笑)」と思いましたし、先ほどの台詞に続けてサマンサが「なんでサラダみたいな香りさせたいのよ」と言っているので、やっぱり珍しい香りなのかなと思っていたのですが、その後、ロンドンのドラッグストアでよくよく見てみてると、結構キュウリの香りのアイテムってあるんですよね。CleanとかFreshといったイメージで使われているようです。

さきほどからキュウリ、キュウリと言っていますが、もちろんキュウリを絞ったエキスを使っているわけではなく、ちょっと甘みを加えればメロンやスイカと言い換えても良いような、要は「青っぽい」と表現される瓜系の香りがする香料が使われているということです。

今年は食べるだけでなく、ボディケアにもキュウリを取り入れてみようか思案中です。
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# 再びゾウのおはなし
こんにちは、Akariです。
先日、こんな本を読み終えました。


『博士と狂人―世界最高の辞書OEDの誕生秘話』
サイモン ウィンチェスター (著) 鈴木 主税 (翻訳)
ハヤカワ文庫NF

“41万語以上の収録語数を誇る世界最大・最高の辞書『オックスフォード英語大辞典』(OED)。この壮大な編纂事業の中心にいたのは、貧困の中、独学で言語学界の第一人者となったマレー博士。そして彼には、日々手紙で用例を送ってくる謎の協力者がいた。ある日彼を訪ねたマレーはそのあまりにも意外な正体を知る―言葉の奔流に挑み続けた二人の天才の数奇な人生とは?全米で大反響を呼んだ、ノンフィクションの真髄。”(裏表紙より)

OED編纂という巨大プロジェクトを追ったスリリングなストーリーの中に、翻訳者の仕事には日々欠かせない相棒である辞書の歴史にまつわるトリビアもたっぷり盛り込まれていて、とても面白かったのでオススメです。詳しい内容や書評はさまざま紹介されているので、そちらを読んでいただくとして、今回注目したいのはまたもやゾウです! この本にも、前回のブログでも書いたゾウという生き物が登場しています。

シェークスピアの時代には、まだ英語の辞書が存在していませんでした。私たちが現在当たり前のようにしている、わからない言葉を調べる、自分が使った言葉のつづりや使い方が間違っていないか確認するということは、シェークスピアには出来なかったのです(驚き)。もちろん、見た事のないものをGoogleで調べて画像で確認する、なんて事はもってのほか。

そんなシェークスピアですが、17世紀初めに書かれた『十二夜』の中に、“エレファント亭”という宿屋の名前を登場させている、というエピソードが本書では紹介されています。当時のヨーロッパには、エレファントと名のつく宿屋が多くあったそうですが、なぜエレファントなのか、なかなか調べようがなかったはずです。またシェークスピアは、ゾウがどんな動物なのかあまり知らなかったとされています。それなのに、どうしてエレファント亭という名前を選んだのか。それは今となってはわかりません。中世ヨーロッパでも伝聞だけでゾウの絵が描かれていたように、あの大きさや造形に、ゾウを見たことのない人を憧れさせてしまう何かがあるのでしょうか。

また、サミュエル・ジョンソンが完成させ1755年に出版された『英語辞典』は、“ユニークで洗練された定義”が魅力の辞書とされており、ここでもelephantについてのジョンソンによる定義が紹介されています。ちなみにサミュエル・ジョンソンがゾウを見たことがあったかは不明です。

“すべての四足動物の中で最大のもの。賢く、忠実で、用心深く、分別さえある動物として、驚くべき話がたくさん伝わっている(以下略)”

そう、ゾウは賢い生き物だったんですよね。Evernoteのマークがゾウなのも、Elephants never forgetというidiomから来ているそうです。



前回のブログを書いた時には調査不足でした! ごめんなさいゾウさん!
近々、動物園にゾウを見に行きたいと思います。
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# ゾウを夢見て
こんにちは、Akariです。先日、話題の「生誕300年記念 若冲展」に行ってきました!



もう会期も終わりに近づいていて(5月24日まで)、最大300分だとか待ち時間の長さが話題になっていますが、私が行った大型連休の最初の頃は、まだ1時間待ちで入場することができました。それでも1時間ですけどね。人気の高さが伺えます。

会場内も混雑していて、なかなか全ての作品を近くで鑑賞するのは難しかったのですが、超緻密に描き込まれた細部を実際に見ることができたのは良かったです。会場に行けない方でも、Googleのcultural instituteにいくつか作品があるので、肉眼では近づけないくらいのレベルまでアップにして見るのも楽しいと思います。私も超拡大してしげしげと見てしまいました。

さて、若冲の生涯や作風については、数々の記事や書籍も出ているので、そちらを読んでいただくとして(私が録画してまだ見ていないNHKスペシャルも!)、今回は「樹花鳥獣図屏風」などに出てくるゾウについてです。

若冲が活躍していたのは、江戸時代中期。そんな時代に動物園があったとは思えませんから、絶対に想像で描いたに違いない、それにしては上手いよな〜、と思っていました。

しかし中世ヨーロッパで、ゾウの存在は知っていたけれど、伝聞でしか情報を聞いたことがなかったアーティストたちが描いたゾウの絵が何点か紹介されているのを見ると、やはり若冲のゾウは見たことがある人が描いた感じがします。

・中世ヨーロッパで描かれたゾウ


鼻の長いウマ……?
(出典:http://imgur.com/gallery/MpRBy

・ 若冲のゾウ


調べてみると、1728年、八代将軍・徳川吉宗の統治の時代、若冲14歳の頃には、ベトナムから長崎に雌雄の象がやってきていたそうです。雌ゾウは長崎で亡くなってしまいますが、雄ゾウは陸路で大阪を経て京都に入り、天皇に謁見しています。おそらくは少年だった若冲も、沿道に並ぶ多くの見物人と共に実際に象を見たのではないかと言われているそうです。

「樹花鳥獣図屏風」以外にも、「象と鯨図屛風」「象図」など、若冲の作品に何度かモチーフとして出てくるゾウ。きっとこの時1度見たゾウが、少年若冲に強い印象を残したのでしょうね。

ところで「樹花鳥獣図屏風」に描かれている白いゾウは、特に東南アジアでは神聖視される存在です。しかし英語でwhite elephantというと“a thing that is useless and no longer needed, although it may have cost a lot of money”(たくさんの費用がかかるかもしれないのに、役に立たず、必要のないもの)となってしまいます。その理由はと言うと“From the story that in Siam (now Thailand) the king would give a white elephant as a present to somebody that he did not like. That person would have to spend all their money on looking after the rare animal.”(シャム、現在のタイの王は嫌いな相手に白象を贈った。贈られた人は、その稀な動物の世話をするのに全財産を費やさなければならないほどだった)からだそうです(以上、oxford learner's dictionaryより)。ひどい……。他にもアルコールや麻薬で幻覚が見えるのをsee pink elephantと言ったりしますね。英語には、あまりゾウに関してポジティブなイメージが無いのでしょうか?
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