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# プロパガンダについて
皆さん、こんにちは。ロシア語担当のTです。先月のブログから一ヶ月しか経過していないのに、私が居住する大阪府でも朝晩だけでなく昼間もやや寒く感じるようになりました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

 さて、今回は「プロパガンダ」についてブログを書いてみたいと思います。手元の辞書には、プロパガンダは次のように定義されています:

宣伝。特に、政治的意図をもって行われる主義・思想などの宣伝。

言い換えれば、見ている(読んでいる)人の考え方をある特定の方向に向かわせることだと思います。私はソ連時代に生まれましたが、ソ連の社会においても「社会主義の理念に基づく理想的な社会の実現」のために多くのプロパガンダが使われていました。

前回(2016年11月8日付け)のブログにはYoutubeの映像について書いていましたが、今回は第二次世界大戦の時の二つのプロパガンダ映画についてふれたいと思います。一つは、アメリカ側が作成した映画で、"Know your enemy:Japan"(「あなたの敵(日本)を知りなさい」、映像のリンクはこちらです:
https://www.youtube.com/watch?v=zBIfnPyK4rw&t=1886s)
もう一つは、日本側が作成したもので、「桃太郎 海の神兵」(リンクはこちらです:
https://www.youtube.com/watch?v=PI5gfbNATto&t=1059s

最近この二本の映像を改めて視聴する機会があり、プロパガンダというものは実にさまざまな形で作成されるだなぁと思いました。

例えば、アメリカ側が制作した映画の場合、敵国に対するメッセージはかなりストレートで、イデオロギー的な色もかなり濃くて、対日本の戦争はさまざまな手段によって正当化されていきます。また、ところどころに「理解不可能」な民族としての日本人のイメージが描かれています。

それに対して、「桃太郎」のほうは映画ではなくアニメで、出征する動物の物語で、敵は鬼(陰のような、顔が平たくない人間でもある)の形で現れ、桃太郎たちは勇敢に彼らを倒していきます。アメリカ制作の映画に比べますとメッセージもそれほど強くありませんし、おだやかで平和的な暮らしぶりが多くの場面で描かれています。
どちらの作品も1時間前後の長さがありますが、みなさんももし興味があればご覧になってみてください。

プロパガンダの話を書いているうち、母国ウクライナと隣国ロシアとの間におきている衝突のことについても考えていました。現在も進行形である両国間のコンフリクトは、どれほどの数のプロパガンダ的な情報が生まれることにつながっていますでしょうか。また、それを信じてしまう人はどれほどいますでしょうか。

考えるだけで胸が痛みます。プロパガンダという単語は、遠い昔のもののように聞こえる時代は、近く訪れるのでしょうか。私は、きっともうすぐ来ると信じたいのです。
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# ももの木のように
 皆さん、こんにちは。ロシア語担当のTです。このごろはすっかり秋らしくなってきましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

 さて、今日はまた翻訳・通訳の難しさと面白さについて書いてみたいと思います。まず、先日テレビで見たニュースを紹介したいと思います。突然ですが、最近大人気の「ピコ太郎」の動画を皆さんはインターネットやテレビなどで見たことがあるのでしょうか。

 私は彼の人気ぶりについてまったく無知でしたが、友達に教えてもらい動画投稿サイト(YouTube)で見ました。「ペン」、「アップル」および「パインアップル」のさまざまな組み合わせでリズミカル音楽を背景にピコ太郎が踊っていますが、全体の雰囲気はなかなか斬新な発想で、視聴回数が8000万を越えたことからも彼は日本社会を海外で代表する人の一人だと確信しました。

この人気を受けて色んな人(?)たちがPPAPのパロディ動画をアップしています。中にはこんな方も…(映画『デスノート Light up the NEW world』オフィシャルがアップした死神リュークの動画)。最後に、PPAPを使ってデスノートに誰かの名前を書いているのがまたシュールです。

彼のこのパフォーマンスは確かに、どこか心に訴える、あるいは画面から目を離さなくなる何かがあり、私も視聴回数を増やすべく何回も視聴しました。

 しかし、具体的にどんなギャグなのかと仮に聞かれた場合には返答に窮しますし、アップルとパインアップルとペンをめぐるやりとりが表現されているということぐらいしか言えないと思います。でもかなり印象に残るダンスであることも確かです。

 そんなピコ太郎さんですが、先日ギネス世界記録として認定されたそうです。あるテレビ番組でそのときの記者会見で外国のジャーナリストにその時の感想を聞かれた際、「驚きももの木20世紀」と答えただそうです。通訳の方はすかさず、「ももの木のように驚きました。」それは質問をした人にちゃんと通じたのは、通訳者の素晴らしい仕事のおかげだと、テレビでその時の様子を見ていた私が思ったのでした。

 私もいつか「ももの木のように」驚いてみたいと思いながら、通訳や翻訳という仕事の難しさや面白さ、そしてこのような場面で通訳をするための準備の大変さを改めて確認しました。
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# 文化的な体験としてサンダーバードに乗ることについて
みなさん、こんにちは。ロシア語担当のTです。先日北海道では今年初めての雪が観測されたようですが、私が住んでいる大阪府でも朝晩の気温の差がかなり激しくなってきました。皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、本日のブログの本題ですが、私にとって先週から新しく始まった「サンダーバード」という関西と北陸を結ぶJRの特急電車に定期的に乗車する体験について書いてみたいと思います。「体験」と書きましたが、実は仕事のため週1回というペースで、新大阪駅から福井県にある武生(たけふ)駅まで1時間半ほど電車に乗ることになったのです。

そんな1時間半ほどの移動でいったいどのような「文化的な体験」が得られるのか?!と思っていらっしゃる読者もいるかもしれませんが、私にとって1日に2回も「サンダーバード」に乗車する毎週の火曜日は、今後しばらく大変待ち遠しい曜日になりそうです。

「サンダーバード」の何よりもすぐれているところは、その立派な姿だけではなく、大都市ではあまり見られないような環境の中を走っていることです。これはあくまでも外国人の私から見た特徴で、日本の皆さんにとっては何も不思議なことではないかもしれませんが、電車が琵琶湖の横を通っている際に手前に田んぼがあり、となりに山があるという、なぜか非常に癒される景色を堪能することができます。

また私がもう一つ注目しているのは、時間の流れのスピードの「変化」とでも表現すべきことです。特急の途中の停車駅で普通列車の時刻表を見ることができたのですが、時間帯によっては、1時間に電車が一回も走らない時が1日のうちに3回ほどありました。また、それ以外の時間帯には、1時間に1本というペースで運行されています。そのような本数は見方によっては大変少ないという人はいるかもしれませんが、こういう状況は逆に“自分の行動をよく計画して1日を合理的かつ効率的に使うための「手段」”というふうに私には思えました。1時間に1本しかない電車に乗り遅れたら1時間(場合によってはそれ以上)待たなければいけないことになりますが、その分、乗車に至るまで事前の準備や段取りに自然に気を配れるようになるのではないでしょうか。

都市部では、JRも私鉄も、10~15分に1回ほどの間隔で特急(急行)に相当する電車が運行されるのが一般的ですが、慣れた環境を離れますと、まるで異国に来たように感じる時もあります(言うなれば、電車の本数が少ない地域のたくさんある母国ウクライナに帰った気分になります。)

福井県や北陸のお土産についてもたくさん書きたいことがありますが、そういった話はまた次の機会にして、本日のブログはこれで終わりにしたいと思います。
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# 様々な言葉について
 皆さん、こんにちは。ロシア語担当のTです。朝晩と昼間の気温の差が大きくなり、少しずつ秋の気配を感じるようになりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
 
さて、今日は様々な「言葉」について書いてみたいと思います。以前どこかのテレビ番組において、亡くなった有名な方の紹介をしていて、次のような発言がありました: 「彼はとても気さくな方で、セミの抜け殻を集めて受け付けのお姉さんたちによく投げていました。」
 手元の和英辞書では、「気さく」に相当する英語は"open-hearted, frank, friendly"となっていますが、さすがに大変"open-hearted"な方でもセミの抜け殻を投げるようなことはしないじゃないかと、私は深く思いあぐねてしまいました。そして、自分の日本語の感覚をもっともっと磨く必要があると実感させられました。
 
以前このブログで「お菓子」=甘いものだけでなく、おやつ類全体を指すことについて書きましたが、今回も似たような言葉遣いを目の当たりにしました。先日妻と映画を見に行く計画をたて、私だけ先に行って飲み物を買うことになりました。妻にほしいものはないかと聞いたら、「何かのジュース」と言われ、「アップルジュースかオレンジジュース、どっちが良い?」と聞いてみました。そうしますと、炭酸入りのものが良いという返事が返ってきました。私は困惑してしまい長い間悩んだあげく、最終的にはブドウスカッシュを購入し何とか満足してもらいました。「ジュース」という単語の、このような使い方はどれほど一般的なものなのか、私にはちょっと分かりませんが、何か珍しい現象を見てしまった印象が非常に強かったです。(※注釈:英語で「juice ジュース」は一般的に100%の果汁を指し、炭酸飲料は sodaもしくは pop、果汁入りのものを含む清涼飲料は drink や beverageと呼びます。おそらくウクライナでもこのような分類になっているのではないでしょうか。by Toko)
 
本日のブログの最後に、ちょっとした「おまけ」です。上記の「お菓子」の話とは別の日に、このブログで紹介したうちの愛犬であるテリャ氏ですが、7月の暑い時期に散歩に出かけていた際、ある時に歩くことを断固拒否し手持ちの散歩用の鞄に入ることを選択しました。その「鞄入り」のテリャの写真をフェイスブックに載せたら、体重が12キロほどある柴犬を飼っているロシア人の友達が、次のようにコメントしました:
「コンパクトなワンコって良いですね~!うちのは重くて仕方ない・・・」
フェイスブックにはコメントの翻訳機能がついていて、私の妻がそれを使ってコメントを読んでみました。しかし、そのコメントを翻訳するのは翻訳機のキャパシティを明らかに越えていたのでしょう:
「さて、いつ犬コンパクト。すべては彼女の手を切った。」
と翻訳されていたのです。

私の友達が使った表現は「手がちぎれるほど重い」というニュアンスに近いものですが、フェイスブックの訳文候補はなんだか直訳すぎてますます意味が分からないものになっていました。

 翻訳の難しさ、特に機械翻訳の学習能力の限界(?)をも物語っているエピソードだと思いました。
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# ボルト選手の3連覇、そして応援の難しさについて
皆さん、こんにちは。ロシア語担当のTです。蒸し暑い日が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、本日のブログではオリンピックについて書きたいと思います。このブログの冒頭の部分を考えている時、リオ五輪でのウサイン・ボルト選手の活躍についてのニュースが入ってきました。陸上男子100メートルで、あと5日ほどで30歳になる彼は3連覇を果たしました。今回は決勝のレースを見ていませんが、きっとボルトらしい軽やかな走りだったことでしょう。

このブログでも以前世界選手権でのボルト選手の活躍にふれたことはありますが(2011年8月31日2013年8月14日など)、気が付けば彼はもう3回目のオリンピックを迎えました。大会の前、今回は自身にとって最後のオリンピックと宣言しましたが、彼の永遠のライバルであるアメリカのガトリン選手は34歳で今回は2位でフィニッシュしました。ボルトはまだまだ様々な場面で活躍できそうですが、きっと見る人の記憶の中に王者のままでいつまでもいたいという野望もあるでしょう。

さて少し話題を変え、オリンピックが行われる際の応援の仕方の難しさについて書きたいと思います。断っておきますが、ここで私が使う「難しさ」とは条件付きのもので、国際結婚の夫婦でオリンピックの試合を見ることとそれぞれの国籍のチームが直接対戦することがこの場合の条件になります。

今回のリオ五輪では、ウクライナと日本の選手たちが対戦する場面はいくつかありました。日本のインターネットでは一番話題になったのは体操の内村選手とヴェルニャエフ選手の試合だったと思います。内村選手は最終種目で素晴らしいスコアを出し、ウクライナ人の選手を0.099ポイント上回り見事に優勝しました。またアーチェリーでは女子の団体戦でウクライナのチームが日本人に敗れ、柔道でも日本選手とウクライナ選手の対戦の際ウクライナ人はやぶれています。私たちが見た試合ではウクライナ人は三回中三回日本人に負けています。日本人選手の実力を物語る数字だと思います。

アーチェリーの試合の際、私のコメントが妻に通じなかった場面がありました。「ここで9点取ればこのゲームは勝ちだよね」と言ったところ、「ここで9点取られたら負けやわ」という反応をされ、一瞬そういった発言の論理を理解できない自分がいました。言うまでもないことですが、すでに8年半ほど日本に住んでいるウクライナ人である私の中では、ウクライナが日本に負けても日本がウクライナに負けても二つの異なる感情がぶつかり合います。対戦しなければ一番良いのですが、どうもそうはうまくいかないようです。それでも、今後ウクライナと日本が戦うことがあればそれはそれで大変楽しみです。


ところで今日 8月16日は、京都の五山送り火の日です。今年は所用のため、京都まで出かけて実際に見ることはできないと思いますが、左の大文字の「大」に火が灯されるあの感動的な瞬間は、今でも鮮明に覚えています。亡くなられた方の魂は今年も無事に帰れますよう、お祈りします。
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# クリミア半島と私
皆さん、こんにちは。ロシア語担当のTです。7月らしい暑い日が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、今日はある写真にふれることからブログを書き始めたいと思います。先日Facebookで、クリミア半島にあるスダク市のお城、そして海辺の風景の写真が掲載されていました。私は約10年ほど前に以下に述べる理由でスダク市を訪れたことがありますが、お城はその時と変わらない美しい姿でした。ですが、大勢の人たちが来ているはずの砂浜には人はまばらで、別の街の光景を見ているかのようでした。この10年間ちょっとで大きく変わったことは、スダク市を含むクリミア半島がロシアに併合されたことです。

政治的なことをこれ以上書くつもりはありませんので、私がスダク市に行った時のことを振り返ってみたいと思います。まず目的は、残念ながら観光や療養ではなく仕事のためでした。ウクライナの南部およびスダク市にてある番組のための撮影が行われ、私は通訳者としてスタッフ同行していました。スダク市を離れる日に仕事を終え、その4日で初めて海に入りましたが、太陽でかなり日焼けをしてしまった苦い記憶があります。

スダク市の名所と言えば、中世から残っているお城です。クリミア半島の写真でかなり有名なのは、「ツバメの巣」という真っ白なお城ですが、私はスダク市のお城のシルエットのほうが好きです。お城だけではなく、それに続くアプローチなどもとても独特な雰囲気を醸し出しています。

またウクライナの首都キエフにずっと住んでいた私として、スダク市のもう一つの魅力は、そこでの人間の「波」の流れにありました。海辺に続くメイン・ストリートのような道がありましたが、簡単に言いますと朝には人々は海に「吸収」され、夜になると「戻されていた」(元の位置に「返されていた」)のです。もちろん、スダク市の全ての住民がそのようなサイクル内での動きを繰り返していたわけではありませんが、大部分の人々は日中は 海辺で過ごしていました。

スダク市以外にクリミア半島で行ったことがあるのは、半島の北部にあるクラスノペレコプスク市というキャンプやサナトリウムが並ぶ街です。中学生ぐらいのことですから、その時のことで覚えているのは、海がいつまでも続くことと、太陽が休憩なく世の中のものに光を当てていたことです。

ウクライナ人として、クリミア半島に行きたい時に行けるようになる日常がまたいつか戻ってくるのを祈りつつ、今日のブログの締めくくりにしたいと思います。
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# 長野県での雪、丁寧すぎる車掌、そして伏見の街並みについて
皆さん、こんにちは。ロシア語担当のTです。このブログを書き始めたのは、4月の中旬あたりで、熊本地震のニュースがずっとテレビで流されている時でした。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに一日も早い復興をお祈り申し上げます。

さて、今日のブログでは先月予告したとおり、日本という国が外から見られている時のことについて書きたいと思います。まず自然災害を例に見て行きましょう。

東日本大震災の時大津波が発生し、福島第一原発において大きな事故が起きたことで、海外の多くの国において日本全土が汚染されたかのようなイメージができあがってしまい、私もウクライナにいる自分の友達から、「京都は大丈夫なの?帰国しなくても良い?」とたびたび聞かれました。

チェルノブイリ原発での事故を経験しているウクライナ人はもう少し原発関連のことについて慎重で丁寧に反応してくれると期待していましたが、そんなことより「日本」という謎に包まれた非常に分かりにくくてかなり小さい国に対するイメージが強かったようです。

実は私の祖母から以前 同じようなことを言われたことがあります。何年か前に長野県や群馬県が大雪に見舞われインフラが麻痺してしまった際、京都に住んでいる私もきっと影響を受けたに違いないと心配してくれて、わざわざ母親経由で「Tは大丈夫か?」というメッセージを送ってくれました。京都は雪の気配はちっともないことを伝えると、日本という国の広さに少し関心したようで、仕方ないから私の言い分を信じることにしました。(ちなみに、その時の京都市内の気温は10度ぐらいだったと記憶しております。)

私がタイトルにわざわざ書いた「丁寧すぎる車掌」とは、フェイスブックで読んだ話です。英語で次のようなメッセージが拡散されていました。

「 日本では電車が1分でも遅れると、車掌さんが車両の中のお客さん一人一人に対してお辞儀をし電車が遅れたことに対して謝罪しています。また、遅れたことを証明するための紙も、全員の乗客に対し瞬時に発行されるので。」

私自身はあまり電車が遅れる事態に出会ったことはありませんが、上記の文を英語で読んで少し疑問に思いました。電車が遅れる時、車掌さんが乗客一人一人に謝る暇はあるのでしょうか。また、遅延証明書もたしか、一斉発行というスタイルよりも、ほしい人がもらえるようなシステムではかなったですかね。そして、大変便利になりつつあるこのごろはそれぞれの鉄道会社のホームページからも発行できるようになっている場合があります。

次に、私の母親が来日していた時のエピソードを紹介したいと思います。母親の滞在中、できるだけいろんなところに連れて行くように計画を立てていました。そういった「いろんな」ところの一つは、京都南部の伏見区にある、様々なお酒のメーカーの酒蔵や関連施設が並ぶところでした。

現場に到着しますと私たちがまず目にしたのは古い2階立ての建物の町並みです。建物群の壁は木でできていて、かなり黒ずんでいる場所もありました。私はそれらを見て、以前どこかのテレビ番組で紹介されていた木の板の防カビの加工法を思い出しました。たしか、煙にさらすことで木を強くしていたと思いますが、私の母親の目には、それらの建物は火事か何かで焼けてしまったものに見え、なかなか素敵なものには見えなかったようです。

結局、伏見では月桂冠の記念館に行ったりおしゃれなカフェでランチを食べたりして、それなりに満足してもらったと思いますが、酒蔵が並ぶおしゃれな街の雰囲気は私が予想していたほど受けは良くなかったのです。

これがもしウクライナもしくはロシアからの観光客に対して実施されたツアーなら、かなりの確率で文句を言われていただろうなぁという感想を抱きつつ、本日のブログの締めくくりにしたいと思います。
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# 万博記念公園について
皆さん、こんにちは。ロシア語担当のTです。桜の花もかなり散った地域はたくさんあると思えば、札幌市の開花予告は5月初頭だそうです。桜の開花状況は、日本という国の地理的な特徴をよく物語っています。日本に住んでいる外国人として、大変興味深いことです。

さて、3月のブログにふれたとおり、今回は大阪府にある万博記念公園について書きたいと思います。実は私、この公園の近くに引っ越してから、ここは来日する外国人の観光客に対して、日本文化や日本社会のさまざまな側面を紹介する絶好な場所なのではないかと思い始めました。

もし仮に、大阪市周辺の観光コースを提案しなさいと言われた場合には、私は間違いなく万博記念公園の4時間のコースを推薦すると思います。なぜならば、ここは伝統的な日本文化も、日本が成し遂げてきた急激な経済成長についても学ぶことができるからです。

まず日本の伝統文化ですが、公園の北側に日本庭園があり、その中にはお茶の席もありますので日本の造園の技と伝統文化の一つである茶の湯を楽しむことができます。

また、戦後の日本経済の成長について学術的な書籍はたくさん出版されていますが、本に書いてあることの具体的な事例として万博公園を訪れることは示唆に飛んでいることだと思います。中央の入り口から入ってお客さんをすぐに迎えてくれる太陽の塔について調べてみるのも良いし、博覧会自体の様子が非常に分かりやすく説明されているEXPO'70パビリオンもぜひともおすすめしたいところです。


(ホームページはこちら: http://www.bmkkc.or.jp/expo70pavilion/

また、万博公園は面積から言ってもかなり広い場所なので、どんな季節に行っても様々な花が楽しめます。先日私が行った時は、桜が満開でした。

これまで書いてきた外国人向けの模範コースの締めくくりとして、昨年11月にオープンした大型商業施設「エキスポシティ」での買い物も悪くない気がします。場合によっては、半日ではなく1日のコースになりそうですが、それはそれで素敵な流れかもしれません。

次回のブログでは、外から見られる時の日本のイメージについて書いてみたいと思います。
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# ガンバ大阪の新スタジアムについて
皆さん、こんにちは。ロシア語担当の T です。ひな祭りも過ぎて穏やか春日和の日は続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

さて、今日は私が大好きなサッカーと関連した話をしたいと思います。個人的なことで申し訳ございませんが、私は昨年度末大阪府内に引っ越しをして、居住先はK市からS市に引っ越しました。S市は、京都と大阪の間でやや大阪寄りに位置し、私としては最大のメリットは自転車で行ける距離に万博記念公園およびガンバ大阪というサッカークラブの新スタジアムがあることです。

万博記念公園にはこれまで何回か行ったことがありますが、何よりもそのメインシンボルとも言える太陽の塔は印象的ですね。それについてはまた別の機会に書きたいと思いますが、今回はサッカースタジアムの話をします。私の母国ウクライナにおいてサッカーと言えば、日本における野球と同じほど人気のあるスポーツですが、外国人の私からすれば日本人のサッカーに対する熱心さはウクライナのそれとかなりレベルが違うような気がしてなりませんでした。

しかし、先日新しいスタジアムを訪れ自分はいかに偏った考え方をしていたのかということが分かりました。今回は妻と二人で行きましたが、私たちの席は、ガンバ大阪の一番熱心なファンたちが座っている「ホーム自由席」というところでした。

試合が始まる前に彼ら・彼女らは歌を歌ったり踊ったりしてウォーミングアップしていましたが、試合が開始するやずっと閉じこめられていた熱が解放されたかのような感じで、前半および後半の90分、さらにハーフタイムの15分を止まらずに様々な形でガンバに対する自分たちの気持ちを表現していました。

そして不思議なことに、これまでそれほどサッカーに興味がなかった私の妻までファンたちと同じように歌ったり踊ったりしはじめ、大変楽しく過ごしていました。それを見て私は思ったのは、日本のサッカーの文化は独自の発展を遂げていて、その歴史はウクライナのそれに比して浅いからといってどこか負けているところがあるわけではなく、自分の好きなチームのためならどのようなことも惜しまない人がどこの国にもいるのではないかということでした。

サッカースタジアムの詳しい情報および全体の様子がよくわかる写真は、下記のホームページにありますので皆さんも良かったらご覧ください。
http://www2.gamba-osaka.net/stadium/newstadium.html

また、バレンタインデーの2月14日に行われたこけら落とし試合の際に撮影した写真3枚ほど掲載させていただきます。







私はせっかくですからウクライナの国旗の色である青と黄色の服を着て出かけましたが、「青」のほうが偶然にもガンバのユニホームともマッチする色となりました。

これまで色々と書きましたが、肝心の結果はどうだったのか。むろん、ガンバが勝利しました。(そうしなければ、ファンたちの怒りはどれだけ恐ろしいものになっていたか・・・)しかしながら、新スタジアムでの初めてのゴールは、名古屋のチームのオウンゴールだったのは、少し皮肉なことではあります。

さて、今後どのような激戦が繰り広げられるのか、このスタジアムでの観戦を大変楽しみにしております。
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# 東京ドームに備わる普遍性に相当するものを見つける難しさについて
 皆さん、こんにちは。ロシア語担当のTです。

 私の母国、ウクライナでは今年 日本と同様、かなり暖かい冬になっているようです。航空券が一番安いこの時期に帰国することが多い私からすれば、少し羨ましいことです。なぜならば、過去に帰国した際の気温は氷点下の場合が多く、雪も積り、大変「冬らしい」冬をこれまで何回か経験しているからです。

 さて、話は変わりますが、今日は以前にもこちらのブログでふれた点について書きたいと思います。先日とあるテレビ番組で外国の牧場の紹介があり、「~~ヘクタール、すなわち東京ドーム~~個分」と説明されていました。私は東京ドームに行ったことがありませんし、外から見たことがないのでその時は「ふうむ」と不思議に思ったのですが、同じ番組を見た日本人の皆さんはおそらく何の疑問もなく「なるほど、これだけ広いところなのか・・」と思われたに違いありません。

 合わせて9年ほど日本に滞在する者として、そのような例えの仕方はかなり面白いものに思えます。そして、ウクライナ国内に国民のほとんどが何の疑問もなく頷き合いながら認めるものの大きさの例えになれるものがないかと考えを巡らしてみました。カルパチア山脈にある牧場、東部ウクライナの大きな都市でウクライナの最初の首都にもなっていたハリコフ市の一番大きな広場、現在の首都キエフの中心部にある独立広場、2012年に行われたサッカーのヨーロッパ選手権のために建設された、7万人の新スタジアム・・・考えれば考えるほど、東京ドームほどピンとくるものが無くて、民族としてのウクライナ人を一つのまとまりにしてくれるようなものが無いことにちょっとした衝撃まで覚えました。

また、たいていのウクライナ人が名前を聞いただけで その大きさを難なく想像できるようなものがあまり無いのは、独立した国家としての歴史が、現段階では 比較的 浅いためだろうという結論にもいたりました。近い将来、東京ドームと同じほど分かりやすい「何か」が生まれてくることを期待し、本日のブログの締めくくりにしたいと思います。
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